バリの本当の良さが観光客によって破壊されている
そのころのヨーロッパではタヒチやパダン高原への旅といったものも旅行案内書としてたくさん存在していたようなのでバリも植民地観光スポットとして取り上げられた。
この島を旅したメキシコ人画家、ミゲル・コバルビアスは褐色の肌、美しい上裸の娘たち、ヤシの木、揺れる波といったイメージで構成される著書を残している。
これらのバリ島に対するイメージを与えた先駆者はドイツ人グレゴール・クラウゼの写真集『バリ島』であった。
先ほどのイメージに加えて女性的で官能的なイメージを含み、また性に関しては開放的なホモセクシャルを含むものであった。
そしてまた、バリの人々は「芸術家」として讃え上げられた。貴族・僧侶以外に農民までもが「バリの古来の文化を引き継ぐ者」として。そして人類学者による「バリの人々が築いてきた文化の伝統が観光によって破壊されている」といった語り口に対して筆者は異議を唱えている。